その息苦しさ、本当に「過呼吸」?

息苦しさを感じたとき、
「過呼吸ですね」
と言われた経験はありませんか。

実は、息苦しさには
過呼吸やパニック障害だけでなく、
別の病名がつく場合があることをご存じでしょうか。

※本記事は医師の診断に代わるものではありません。

あくまで私の個人的な体験から、
「息苦しさの中には、過呼吸以外の可能性もある」
ということを知っていただくためのお話です。

「過呼吸と言われたけれど、何か違和感がある」
そんな方の参考になればと思い、私自身が調べてきたことを書いていきます。


息苦しさの後の症状、大事な違い

息苦しさは同じように感じても、
体の中で起きている現象がまったく違うことがあります。

過呼吸症候群は
「呼吸の量・速さ」の問題であり、
気道が物理的に狭くなる病気ではありません

一方で、

  • 喉頭浮腫

  • 喉頭痙攣

  • 鼻や喉の粘膜浮腫

といった状態では、喉や鼻の粘膜が腫れることで、空気の通り道そのものが狭くなり、息苦しさが生じます。

ここを混同すると、
対処も受診先もズレてしまいます。


「息苦しさ」からの3つの状態

① 過呼吸症候群(過換気症候群)

空気は通っている状態

  • 気道は狭くなっていない

  • 問題は「呼吸の量・速さ」

  • 不安や恐怖、強いストレスが引き金になることが多い

息が苦しく感じても、
実際には空気は肺に入っています。

吸いすぎ・吐きすぎによって体のバランスが崩れ、
めまい、しびれ、動悸などが起こります。

このタイプでは、
「吐く」ことを意識して呼吸をゆっくり整えることで改善していくことが多いとされています。


② 喉頭浮腫・喉頭痙攣・鼻や喉の粘膜浮腫

空気の通り道が物理的に狭くなる状態

  • 喉や鼻の粘膜が腫れる

  • 反射的に喉が閉じる

  • 「吸おうとしても空気が入らない感覚」

  • 過呼吸と誤解されやすい

アレルギー反応や血管性浮腫、薬の副作用などが原因で、
物理的に気道が狭くなることがあります。

この浮腫の反応も、
不安・恐怖・強いストレスが引き金になる場合があり、
過呼吸発作と非常に似た状況で起こるため、混同されやすいです。

決定的な違いは、

  • 「空気は通っているのに苦しい」ではなく

  • 「空気の通り道そのものが狭くなって苦しい」

という点。

医師に伝える際は、「喉や鼻が塞がれる感じがする」ということをはっきり伝えることが重要です。


③ 急性喉頭蓋炎(※別枠)

※こちらは実際に死亡例のある、緊急性の高い病気です。

急性喉頭蓋炎は、
喉頭蓋(声門の上にある「蓋」のような軟骨)が
細菌などにより急激に腫れる病気です。

喉頭蓋が腫れると、
気管への空気の通り道が狭くなり、
最悪の場合、窒息に至る可能性があります。

以下の症状がある場合は、迷わず救急対応を

  • 顔色や唇が紫色になる(チアノーゼ)

  • のどの腫れ・痛みが急激に強くなる

  • 唾液が飲み込めない、よだれが出る

  • 発熱がある

  • 声が変わる、呼吸が苦しい

  • アレルギー物質摂取直後の息苦しさ

精神的な不安が主因ではなく、
明確な感染症である点が①②とは根本的に異なります。

症状が出てから数時間で急変することもあり、
「様子を見る」は非常に危険です。


長年「過呼吸」だと思ってきた私の体験

最初の発作は、育児と疲労の真っただ中

私が初めて強い息苦しさを感じたのは、
37歳(1998年)のときでした。

当時は、
2歳と3か月の子どもを育てながら、
自営業の夫の経理・事務も手伝っており、
慢性的な睡眠不足の状態でした。

ある夜、
子どもたちを寝かしつけ、
台所で溜まった洗い物をしていたとき、
突然、説明しづらい違和感に襲われました。


「モーっとした不安」が頭を覆い始めた

霧が立ち込めるように、
モーっとした不安感が頭の中を支配し、
次第に息が苦しくなっていきました。

「このまま死ぬんじゃないか」
そう思うほどの恐怖でした。

救急車を呼うべきか迷いました。
こんなことで呼んでいいのか。


喉と鼻が塞がっていく感覚

それでも時間が経つにつれ、
喉が詰まり、声が出しづらくなっていきました。
その感覚は鼻の方にも迫ってきます。

喉と鼻の粘膜が腫れ、気道が塞がっていくような感覚。

「声が出るうちに電話しないと」
そう思い、119番にかけました。


「それ、過呼吸ですね」

状況を伝えると、
救急の方はこう言いました。

「それ、過呼吸ですね。
紙袋に口と鼻を入れて、その中で呼吸してください。」

(※現在、紙袋法は推奨されていません)

過呼吸という言葉を聞いたのは、この時が初めてでした。

後日、調べてみると、
「強い不安や恐怖感によって呼吸が乱れ、息苦しさが出る」
と書かれていました。

確かに、
強い不安と恐怖感は、ぴったり当てはまっていました。


「不安が原因」と信じて、対処してきた20年

夫は自営業で多忙、
時間も不規則で頼れない。

子育て中は、
突然の発熱や嘔吐など、
毎日何が起こるかわからない緊張の連続。

疲労も体力も限界で、
「全部一人でやらなきゃ」という不安が常にありました。

だから私は、
不安と恐怖が原因の過呼吸だと信じてきました。


自己流の対処で乗り切ってきた

その後も息苦しさは何度か起こりましたが、

  • 歌を歌う

  • 家の中でエア縄跳びをする

  • 気持ちを切り替える

など、自己流の不安そらしで対処してきました。

それでもダメな時は、
電気マッサージ器で体をほぐし、
なんとかやり過ごしてきました。

そして子どもに手がかからなくなるにつれ、
記憶に残るほどの強い発作はほとんどなくなっていました。

50代後半にはほとんど過呼吸はなくなっていました。


還暦を過ぎて、再び起きた違和感

ところが、
還暦を過ぎた頃から再び息苦しさが増えてきました。

特に昨年末の発作は、
どうしても「過去と同じ説明」では納得できない感覚がありました。

不安感は以前と同じ。
でも、

  • 喉や鼻が腫れる

  • 通り道が塞がる感じが明らかに強い

初回よりもはっきりと、
「気道を閉じに来ている」感覚があり、
本気で「死ぬかもしれない」と思いました。


調べてわかった「息苦しさには種類がある」という事実

そこで調べてわかったのが、
息苦しさには過呼吸の他に、別の疾患があるということでした。

それが、この記事の前半で書いた3つの状態です。

私の場合、不安感がアレルギーを引き起こし、粘膜をはらす
②「喉頭浮腫・喉頭痙攣・鼻や喉の粘膜浮腫」の可能性が最も高いのではないかと思いました。

不安感から息苦しさが起こるのは同じでも、それがアレルギーを引き起こして気道を狭めていたというところが違ったのです。


過呼吸は精神科、喉頭浮腫は耳鼻咽喉科

このタイプが疑われる場合、受診先は精神科ではなく耳鼻咽喉科です。

薬や治療方法が別にあるというのは、精神的なものだけが原因と考えていた時よりもずっと心が楽になりました。

息苦しいだけでないことを医師に伝える

  • ストレスがかかると、喉が物理的に塞がる感じがする

  • 過呼吸と言われてきたが、浮腫や声帯の動きも確認したい

検査の例

  • 鼻からの内視鏡で、喉の構造や狭窄の有無を確認

  • アレルギー反応や慢性炎症の有無

  • 息を吸うときに「ヒュー」という高い音(喘鳴)が出ていないか

※喘鳴は、気道が物理的に狭くなっているサインで、純粋な過呼吸ではあまり見られないそうです。

ストレスは、自律神経を介して粘膜の浮腫や筋肉の痙攣を引き起こすことがあります。

不安が先に来ていてもアレルギーにより物理的に気道が狭くなっていることも考えらるのです。

耳鼻咽喉科で確認することは、原因の切り分けと、何より安心につながります。

もし、過呼吸と言われて何か違和感を持っている方がいらっしゃれば参考にしていただけると嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました